研究者/開発者/スタッフ紹介
田原 大輔 (Daisuke Tawara) 田原 大輔 (Daisuke Tawara)


研究テーマ

マイクロパターン基板による細胞接着斑分布の制御下におけるアクチン細胞骨格構造の変化
細胞外基質の変形に伴う移動性細胞の移動運動方向変化と力学因子の関連の解明
細胞内アクチンフィラメントの重合観察
骨再構築シミュレーションによる海綿骨の形態変化を考慮した力学的特性評価

研究内容と成果

骨系細胞と移動性細胞を対象とし、細胞周囲の力学的環境変化に伴うアクチン細胞骨格構造の構造変化、形成過程および形成速度の変化に注目して、力学的な視点から実験、観察を行った。例えば、細胞接着マイクロパターニング技術を用い、移動性細胞keratocyteの移動運動の制御を試みるとともに、このパターニングを伸縮可能なシリコーンゴム膜に施し、細胞外基質の変形を通じて、細胞骨格構造や接着斑へ力学的摂動を与える実験を行った。その結果、細胞移動方向が、焦点接着斑の分布に依存するとともに、細胞外基質の変形に伴い、細胞移動方向が変化することを示した。このように、細胞接着制御と力学的摂動に対する細胞移動運動の特徴的な変化の評価手法と観察データは、細胞シミュレーションの評価において、重要な基礎的情報を提供した。

今後の展望

実験的アプローチから、細胞内の張力変化が細胞骨格構造の構造変化と形成過程に与える影響および、移動性細胞内における細胞骨格形成速度と細胞の移動量との関係をさらに定量的に評価するとともに、得られた知見を細胞モデリングおよび細胞シミュレーションへフィードバックすることを目指す。また、細胞スケールを含む生体内の階層的な複数のスケールに対象を拡張し、骨の力学的適応機能を担う骨系細胞の活動と骨再構築現象との関連について、本チームの開発ソフトウェアである「V-BoneRemodeling」を用い、計算シミュレーションによる評価・解明に挑戦する。

VCAD公開ソフトウェア

V-BoneRemodeling

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論文・特許紹介

【論文】
D. Tawara, J. Sakamoto, H. Murakami, N. Kawahara, J. Oda and K. Tomita
Mechanical therapeutic effects in osteoporotic L1-vertebrae evaluated by nonlinear patient- specific finite element analysis
Journal of Biomechanical Science and Engineering, Vol. 5, No. 5, (2010), pp. 499-514.

D. Tawara, J. Sakamoto, H. Murakami, N. Kawahara, J. Oda, K. Tomita
Mechanical evaluation by patient-specific finite element analyses demonstrates therapeutic effects for osteoporotic vertebrae
Journal of the Mechanical Behavior of Biomedical Materials, Vol. 3, No. 1, (2010), pp. 31-40.

田原大輔, 高野直樹, 安達泰治, 中野貴由
マルチスケール応力解析によるヒト椎体海綿骨の力学的評価
日本骨形態計測学会雑誌, 第20巻, 第1号, (2010), pp. S100-S107.

田原大輔, 安達泰治, 高野直樹, 中野貴由
骨質を考慮した椎体海綿骨の高分解能ミクロ応力解析
日本臨床バイオメカニクス学会誌, 第29巻, (2008), pp. 7-14.

T. Hato, N. Kawahara, K. Tomita, H. Murakami, T. Akamaru, D. Tawara, J. Sakamoto, J. Oda, S. Tanaka
Finite-element analysis on closing-opening correction osteotomy for angular kyphosis of osteoporotic vertebral fractures
Journal of Orthopaedic Science, Vol. 12, No. 4, (2007), pp. 354-360.

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