研究者/開発者/スタッフ紹介
朱 正明 (Jungmyoung Ju) 朱 正明 (Jungmyoung Ju)


研究テーマ

霧化器により形成されたナノ粒子を用いた静電成膜法の研究

研究内容と成果

エレクトロスプレー・デポジション法(ESD)はインクジェット法などのウェットなパターニング手法とは大きく異なり、噴霧された微細な液滴をナノサイズの粒子になるまで乾燥させて静電気力により捕集する手法である。表面でサンプルが蒸発する時に不均一な膜が発生するコーヒーステイン効果が起こらないため、有機・無機・生体高分子などの様々なサンプルを高い分解能でパターニングすることが可能である。高分子材料に適用した場合は、ナノファイバー形成が可能であることが判明しており、繊維やフィルターの開発に応用されつつある。また、マイクロメータ〜ナノメータの微細なパターンも静電気ステンシルマスクによる形成可能であることが実証されており、汎用的な薄膜形成法としての可能性が高まりつつある。ESD法は、すでにバイオチップの形成に利用可能であることが判明しており、マイクロ流路と組み合わせることで、感染症検査用のチップとしての研究開発が進められている。一方で、従来のESD法ではナノ粒子の間にピンホール欠陥が発生し有機ディスプレーやFETなどの有機半導体薄膜に応用するのは困難であった。この問題を解決するため、新しいESD法では比較的に蒸発速度が遅い溶媒を混ぜることで、完全に乾燥する直前のナノ粒子が表面に到達するよう蒸発を制御した。その結果、スピンコーティングを上回る表面粗さ1nm 以下の高品質有機薄膜形成に成功した。


論文・特許紹介

【論文】
Lise T de Jonge, Jungmyoung Ju, Sander C Leeuwenburgh, Yutaka Yamagata, Toshiro Higuchi, Joop G Wolke, Kozo Inoue, John A Jansen
A Comparative Study of Two Advanced Spraying Techniques for the Deposition of Biologically Active Enzyme Coatings onto Bone-substituting Implants
Thin solid films, vol 518, issue 19, 30 july 2010, pp. 5615-5621

Jungmyoung Ju, Yutaka Yamagata and Toshiro Higuchi
Thin film fabrication method for organic light emitting diode using electrospray deposition
Advanced Materials, Vol. 21 Issue 43, pp. 4343-4347, 2009/7

Jungmyoung Ju, Yutaka Yamagata, Hitoshi Ohmori, Toshiro Higuchi
Standing Wave Type Surface Acoustic Wave Atomizer, Sensors and Actuators A
Physical, Volume 147, Issue 2, 3, pp. 570-575, October, 2008

Jungmyoung Ju, Yutaka Yamagata, Hitoshi Ohmori, Toshiro Higuchi
High frequency surface acoustic wave atomizer, Sensors and Actuators A
Physical, Volumes 145-146, pp. 437-441, July-August, 2008

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